大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1428 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人臼杵敦の上告趣第一点について。

原審が本件の原皮需要者割当証明書の偽造に対し刑法一五五条一項の公文書偽造

罪をもつて問擬したのは正当というべく、尚所論のように仮に行為時の法令によれ

ば有罪であつたものが裁判時の法令に従えば無罪であるとするも、かかる場合の処

罰が憲法三九条前段の「既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問はれな

い。」 との規定に牴触するものでないことは当裁判所の判例とするところである

(昭和二三年(れ)一九六一号、二六年五月三〇日大法廷判決判例集五巻六号一二

〇五頁。昭和二五年(あ)二一〇六号二六年一二月五日大法廷判決)。 論旨引用

の大正九年(れ)二四四一号、同年一二月二四日言渡(論旨に一二月一四日とある

のは二四日の誤記とみとめる)の大審院判決は刑法一五九条一項(私文書偽造罪)

にいわゆる「事実証明の文書」の解釈について説示したものであつて、本件には適

切でないこと明かというべきであるから、判例違反の主張は成立せず、論旨は採用

することができない。

同第二点について。

論旨は原判決の違憲を主張するが、その言はんとするところは原審が認定した詐

欺罪の成立を否定するものであるから刑訴四〇五条の適法の上告理由にあたらない。

同第三点について。

しかし多数の同種の違反者が起訴されなかつた場合に被告人のみが起訴されても

憲法一四条に違反するものと論じえないのであるから(昭和二六年(れ)五四四号、

同年九月一四日第二小法廷判決、判例集五巻一〇号一九三三頁参照)、論旨は採用

することができない。

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よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により、裁判官全員一致で主文のとお

り判決する。

昭和二七年四月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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